まずはかんたんテストから・・・♬
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知覚的体制化
類似した特徴を持つ刺激を一つのまとまりとして知覚する現象です。
ゲシュタルト心理学では、
刺激をまとまりとして知覚することを「体制化」と呼び、視覚における「形の知覚」がその最も典型的な例として挙げられます。
知覚的体制化の例としては、次のようなものがあります。
- 音楽を耳にしたとき、それをひとつひとつの音符の集まりとして捉えるのではなく、ひとつのまとまりをもった楽曲として捉える。
- 樹木を目にしたときも、1枚1枚の葉っぱの集まりだと捉えるのではなく、樹木全体をひとつの植物として認識する。
- 周囲にある様々な音から効率よく意味のある音を抽出する。
- 刺激の検出や弁別などの知覚処理を向上させる。
- 音列に知覚的体制化が生じることで、音列中の音の欠落の検出がより早くできるようになる。
適刺激
特定の感覚器が自然な状態で受容できる刺激を指します。たとえば、
目に対しては光や色が適刺激、耳に対しては音波が適刺激です。
感覚器にはそれぞれ適刺激があり、
適刺激以外の刺激は不適刺激と呼ばれます。たとえば、目に対しては音や振動は不適刺激、機械的刺激や紫外線などは不自然な刺激として不適当刺激に分類されます。
感覚器は特定の刺激に対して働いており、感知できない刺激は感知しないため感覚は生じません。また、刺激が持続して与えられ続けると順応が起こり、知覚も変化します。
たとえば、音の場合、音量を徐々に大きくしていくと聞こえるようになりますが、ある音量までは聞こえず、それより大きいと聞こえるようになります。このとき、
聞こえるようになる音量が刺激閾です。
刺激閾は、聴覚だけでなく、さまざまな感覚に対して考えることができます。また、刺激閾は明確に1つの値ではなく、知覚できる確率が関連してきます。たとえば、2回に1回は知覚できるとか、4回に3回は知覚できるというような状態です。
刺激閾と関連する用語には、次のようなものがあります。
- 閾下:刺激量が閾値を超えていない場合
- 閾上:刺激量が閾値を超えている場合
- 閾刺激:感覚や反応を起こすために必要な最小の強さの刺激
- 刺激頂:刺激がそれ以上増加しても感覚が増加しなくなる刺激量
五感とは
眼や耳などの感覚器官を通して外界のエネルギーを受容する感覚領域です。一般的に知られている五感には、次のようなものがあります。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、 触覚(皮膚感覚。
また、
運動感覚(筋感覚)、内臓感覚(有機感覚)、平衡感覚なども五感に含まれることがあります。
五感と脳は密接な関係にあり、脳がストレスなどで疲れると五感が鈍くなったり、逆に五感が鈍くなると脳の疲れを引き起こしたりすると言われています。
五感は、動物が外界の情報や生命を脅かす危険をキャッチする重要なセンサーとして機能しています。
五感で得た情報は瞬時に脳へ送られ、次の指令が瞬時に下されるようになっています。
五感を鍛えることで、自分の周りの世界にも敏感になり、表現できる幅が大きく広がります。また、五感を研ぎ澄ますと相手の気持ちを思いやったり、直感力が冴えたりと、生命力があふれる
人間性が育まれると言われています。
五感(五官) 私たちは,外界のエネルギーを眼や耳などの感覚器官を通して受容します。 一般に五感(五官)と呼ばれる感覚領域には,視覚,聴覚,味覚,嗅覚,皮膚感覚(触覚)があります。 また,これ以外にも,運動感覚(筋感覚),内臓感覚(有機感覚),平衡感覚を加えることがあります。
アメリカの心理学者である
アブラハム・マズロー(1908~1970年)が提唱した心理学理論で、
人間の欲求を「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層に分け説明したものです。
これらの階層はピラミッド状になっており、低い階層の欲求が満たされることによって次の段階の欲求を求めるようになります。
- 生理的欲求:食欲、睡眠、排泄、呼吸、性欲など、生命維持に関わる基本的な欲求
- 安全の欲求:生命に関わるものの安全の維持を求める欲求
- 社会的欲求:他者との関わりや組織への所属を求める欲求
- 承認欲求:他者から自身の存在について承認を求める欲求
- 自己実現の欲求:自身の能力を高め創作などを求める欲求
マズローの欲求5段階説は、心理学のみならず、
経営学、
看護学など他の分野でも言及されている考え方です。
マーケティングの分野では消費者ニーズを分類する際に活用することが多く、精神病理を解明する
精神分析に対して、人間の肯定的な側面に注目した点が特徴です。
例えば「空腹を満たしたい(生理的欲求)」「安全な場所に住みたい(安全欲求)」「家族・友人と親しくありたい(親和欲求)」「仲間に自分の実力を認められたい(承認欲求)」などです。 もう1つは「成長動機」です。
心理学において動機とは
行動の理由を考える時に用いられる基本的な概念で、行動を起こし、一定の方向に向けて持続させる過程や機能を指します。心理学用語としては「動機付け」とも呼ばれ、モチベーションと言い換えることもできます。
動機付けは、内的な要因と外的な要因の相互作用によって成立します。動機付けに繋がる要因には、主に次のようなものがあります。
- 動因:人の内部に沸き上がる欲求が要因となって行動を起こすもの
- 誘因:外部からの要因によって行動を起こすもの
動機付けには「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類があり、心理学者のフレデリック・ハーズバーグによって提唱された動機付け理論が知られています。
- 外発的動機付け:行動の要因が「評価」「報酬」「賞罰」などの人為的な刺激によるものであるという考え方です。
- 内発的動機付け:行動要因が内面に湧き起こった興味・関心や意欲によるものであるという考え方です。
動機付けを適切に理解して活用することで、意欲を高めたり行動力を上げたりする効果が期待されます。
心理学において動員とは、
特定の行動を起こさせる内部の力を指す「動因」と、行動を生起する外的要因を指す「誘因」という用語と関連しています。
動因とは、
飢えや渇きなどの生理的欲求に対する心理的結果として、行動を起こそうとする内的な状態を指します。一方、
誘因とは、行動を生起する外的要因を指します。
また、心理学用語として「動機付け」という言葉もあります。これは、人が目的や目標などある要因によって行動を起こし、それを達成するまで保持・持続させる
心理的な過程や機能を意味します。
情動(emotion)とは
激しい感情の動きを指します。喜びやのんびりした軽い感情には、通常、情動という言葉は使いません。
情動は、
感覚刺激への評価に基づく生理反応、行動反応、主観的情動体験から成る短期的反応です。情動は「感情・思考」、「身体(自律神経やホルモン)」、「行動(動きや姿勢)」の主に3つに影響を与えます。
情動に関する心理学の理論には、次のようなものがあります。
- キャノン=バード説:知覚の神経細胞の興奮が視床下部を介して、大脳皮質と末梢器官に伝えられ、情動体験(皮質)と情動反応(末梢)が起こるという説です。
- 認知科学のアプローチ:コンピュータの情報処理過程とのアナロジーによって、人間を含む生物の”心”の理解を試みるアプローチです。
また、他人の表情や心理を解読することを「情動認知」といいます。
- 数理生態学(理論生態学)は、数式やコンピューターを使って生物の生態現象を解明する学問分野です。
- 生態学的システム理論は、心理学者のユリー・ブロンフェンブレンナーが提唱した理論で、人間は環境との相互作用の中で生きていると説いています。
- 生活モデルは、ジャーメインが提唱した理論で、「システム理論」「生物学理論」「人と環境の交互作用」という3つの理論が成り立っています。
生態学の特徴は、
生物と環境の間のバランスのとれた相互依存関係について追究することです。この特徴を「人と環境」との関係において考究することを
生態学的アプローチといいます。
認知行動科学
人間の意識や思考、感情、記憶、学習、運動などのさまざまなメカニズムを解明する学問です。心理学や
認知科学、
神経科学などの学問的アプローチを用いて、実験や調査、シミュレーションなどの実証的な研究手法で研究に取り組んでいます。
認知行動科学の研究では、次のようなテーマが扱われます。
- 美術作品を鑑賞する際の心理応答と脳活動の相関
- 視覚情報処理の神経メカニズム
- スポーツアスリートのパフォーマンス向上に役立つ視覚情報処理の最適化
また、認知行動科学の研究成果は、社会に様々な倫理的・法的・社会的な課題(ELSI)を問いかけています。たとえば、人をよりよく知ろうとすればするほど、そもそも人とは何か、人を科学の対象とすることとはどういうことか、という問いに行きあたるのです。
ドイツの心理学者である
マックス・ヴェルトハイマーらが提唱した心理学の学派で、
人間の心理現象を全体性や構造に注目して解明しようとする理論です。
ゲシュタルト心理学の特徴は、
人間の心理現象を要素分解して原因を追及するアプローチをとらないことです。人の精神は一部分や要素から成り立つものではなく、全体性や構造を重視すべきという考え方を基本としています。
- 音楽を耳にしたとき、それをひとつひとつの音符の集まりとして捉えるのではなく、ひとつのまとまりをもった楽曲として捉える。
- 樹木を目にしたときも、1枚1枚の葉っぱの集まりだと捉えるのではなく、樹木全体をひとつの植物として認識する。
- パラパラ漫画は、一枚一枚は動かない絵(部分)が、連続してみると(全体)動いて見える。
ヴェルトハイマー(1880-1943) ゲシュタルト心理学の創始者。 1912年の「運動視に関する実験的研究」で、仮現運動研究を通じて、ヴントの構成主義における要素主義を批判し、要素に還元できない全体的特性が知覚を規定することを主張した。
特定健診とは、40~74歳の人を対象に実施する、メタボリックシンドロームに着目した健診のことです。 生活習慣病の早期発見と、生活習慣の改善による予防を目的としています。 そして、特定健診の結果、生活習慣を改善すべきと判断された方には、医師や保健師などの専門家が指導を行う特定保健指導が実施されます。
- 質問票(服薬歴、喫煙歴など)
- 身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
- 血圧測定
- 理学的検査(身体診察)
- 検尿(尿糖、尿蛋白)
- 血液検査(脂質検査、血糖検査、肝機能検査など)
特定健診の結果、
生活習慣の改善が必要と判断された場合は、医師や保健師などの専門家が指導を行う特定保健指導が実施されます。
第5次国民健康づくり対策
厚生労働省が推進する「健康日本21(第三次)」のことで、令和6年度から令和17年度にかけて実施される国民健康づくり運動です。
「健康日本21(第三次)」は、国民の健康づくりを社会全体で総合的・計画的に推進することを目的としており、その基本的な方向は次のとおりです。
- 誰一人取り残さない健康づくりの展開(Inclusion)
- より実効性をもつ取組の推進(Implementation)
「健康日本21(第三次)」では、運動、食生活、禁煙の3分野を中心に、企業や団体、
自治体と協力・連携しながら具体的なアクションを呼びかけています。
健康づくりには「運動」「栄養」「休養」の3要素が欠かせないため、毎日の生活の中でこの3要素のバランスを整えることが重要です。
○健康寿命の延伸と健康格差の縮小
○個人の行動と健康状態の改善
○社会環境の質の向上
○ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり
を基本的な方向として、健康づくりの取組を進めることとしているところです。
発達障害の一種で、コミュニケーション障害や常同行動などの特徴を有する疾患です。
ASDの特性とAIエンジニアに求められるスキルには共通項が多く、AI分野で活躍できる可能性があります。
神経発達症群
神経系の発達に不具合があると想定されている疾患のグループで、
発達障害も含む広い概念です。
- 知的発達症
- 自閉スペクトラム症
- 注意欠如多動症
- コミュニケーション症群
- 限局性学習症
- チック症群
- 発達性協調運動症
- 常同運動症
神経発達症群の疾患は、発達の早期、しばしば就学前に明らかになります。定型的な発達の経過をたどる方々との区別は難しく、誤解が生じやすいのが大きな問題です。
神経発達症群の疾患の症状には、次のようなものがあります。
- どこに行っても孤立してしまう
- 特定の動作や言葉を何度も繰り返し行う
- 音や光、触覚に対して異常に敏感
- 自分の考えを上手に伝えることができない
- 冗談を冗談と捉えることができない
DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)
知的機能や適応機能に基づいて判断された知的障害(知的発達症)の重症度は、
軽度、中等度、重度、最重度の4段階に分類されます。
知的障害の重症度は、発達期を過ぎた成人段階における知能の発達段階によって分類されることが多く、次のような目安があります。
- 最重度:発達段階がおよそ3歳程度以下
- 重度:発達段階がおよそ3〜5.5歳程度
- 中度:発達段階がおよそ5.5〜8歳程度
- 軽度:発達段階がおよそ8〜11歳程度
精神障害の診断・統計マニュアル(
DSM)の
多元的診断とは、多元的なスペクトラムを基盤に、パーセンテージ表示で重症度を評価する方法です。
DSMは、
アメリカ精神医学会が作成している
精神障害に関する国際的な診断基準で、
うつ病や
発達障害などの診断に用いられます。
DSM-5では、知的機能や適応機能に基づいて知的障害(知的発達症)の重症度を軽度、中等度、重度、最重度に分類しています。
また、
DSMでは、カテゴリー診断という方法も用いられます。これは、ある
精神疾患の典型的な症状をいくつか挙げ、そのうちのいくつ以上が揃っていれば診断できるという方法です。
医療費助成の難病
厚生労働大臣が定める指定難病にかかり、医療費の負担軽減を受ける制度です。指定難病とは、
原因が不明で治療方法が確立していない希少な疾病で、長期にわたる療養を必要とする疾病を指します。
指定難病医療費助成制度では、病態など一定の基準を満たす患者に対して、医療費の自己負担部分について公費負担を行います。具体的には、次のメリットがあります。
- 医療費の自己負担割合が3割から2割に引き下げられる
- 外来と入院の区別なく、世帯の所得に応じて自己負担額の上限額が決定される
- 1ヵ月の治療にかかる自己負担の限度額(自己負担上限額)が設定され、上限額を超えた分は窓口負担がなくなる
指定難病と診断され、医療費助成制度の対象となるには、
都道府県の窓口へ申請し、審査を経て認定を受ける必要があります。
指定難病検討委員会では指定難病の追加を検討し、令和6年4月現在の指定難病は341疾病になっています
- ものがぼやける、かすんで見える
- 眼が疲れやすい
- 人や物が二重に見える
- 近視が進んだ感じがする
- 晴れた日の屋外や対向車のライトがまぶしく感じる
- 視界が暗くなる
- 白っぽく霞んで見える
白内障は、眼のレンズにあたる
水晶体が加齢や合併症によって白く濁ることで起こります。初期の段階ではあまり自覚症状がない場合が多く、気が付きにくい病気です。視力が低下したことで眼科を受診されて、そこで初めて
白内障と診断される方も多くいます。
白内障はそのまま放っておいて治癒することや自力で治すことはできません。初期では目薬による治療、症状が悪化し日常生活に支障が見られるようになった場合には外科手術が必要となります。
点眼薬や内服薬による治療、手術などがあります。治療方法は、
白内障の進行段階によって異なります。
- 発症初期の進行抑制・予防には点眼薬が有効的です。ピレノキシン製剤やグルタチオン製剤などが使用されますが、水晶体が透明に戻るわけではありません。
- 症状が進行して日常生活に支障が出てきた場合は、外科手術が必要になります。手術では、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し、人工水晶体である眼内レンズを挿入します。
白内障の手術は、局所麻酔下で行われ、痛みはほとんどありません。
手術時間は10~20分程度で、傷口は約3mmと非常に小さいです。眼内レンズは取り外しをする必要がなく、一度挿入すれば半永久的に使用できます。
白内障の手術の費用相場は、保険適用の場合、
3割負担の方は約50,000〜60,000円、2割負担の方は約35,000〜40,000円、1割負担の方は約20,000円程度です。
反射性尿失禁の症状
尿意がないのに膀胱に尿がたまると、反射的に尿が漏れてしまうことです。
反射性尿失禁の原因は、
脳卒中や脳梗塞などの脳の病気、交通事故などによる脊髄の損傷などによる神経の障害です。脳の排尿中枢による抑制路が遮断されるため、排尿反射により失禁が起こります。
尿失禁には、反射性尿失禁のほかに次のような種類があります。
- 溢流性尿失禁:残尿感や排泄困難を伴い、自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が少しずつ漏れ出てしまう状態です。前立腺肥大症などの排尿障害が原因で、男性に多くみられます。
- 切迫性尿失禁:強い尿意を抑えきれずトイレに行くまでに尿が漏れる状態です。急性膀胱炎や脳卒中の時などに見られます。
- 腹圧性尿失禁:お腹に力を入れた時に尿がもれる状態です。女性に多くみられ、出産や加齢による骨盤底のゆるみが原因で起こると考えられています。
- 機能性尿失禁:認知症や体の動きが悪くて尿もれするタイプです。
反射性尿失禁 神経の障害により尿意が脳にまで伝わらず、尿意を感じないまま反射的に尿を漏らしてしまいます。
機能性尿失禁の症状
身体機能や運動機能の低下、認知症などにより、排尿が間に合わない、正しく排尿できないといったものです。
機能性尿失禁の原因としては、次のようなものが考えられます。
- 身体運動機能の低下:パーキンソン症候群、片麻痺、骨折、関節痛などにより、トイレに行く前に間に合わない
- 認知症などの精神機能障害:時刻、日付、場所、人物、周囲の状況などを総合的に判断できない、注意力などが低下した場合など
機能性尿失禁の対処方法としては、次のようなものがあります。
- 歩き回る、ポケットに手をつっこむなど、その方のトイレに行きたいサインがみつけられたらトイレに誘う
- トイレの場所がわからなかったり、間違って覚えている場合、トイレに「便所」と書いたり、明るくしてわかりやすいようにする
- 慣れた位置にボタンやチャックがある、といったご本人がわかる衣服に替える
機能性尿失禁の症状 尿意を正常に感知し、排尿できる状態であるにもかかわらず、身体機能や運動機能の低下、認知症などにより、排尿が間に合わない、正しく排尿できないといった症状が起こります。
- 早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。
- がんが大きくなると、尿道が圧迫されるため、尿が出にくい、排尿の回数が多い、残尿感、尿失禁などの排尿の症状が現れることがあります。
- がんが膀胱や尿道、直腸などの周囲の臓器に広がると、血尿や便秘などの症状が現れます。
- がんが骨に転移すると、腰痛などの痛みが起こることもあります。骨痛は、通常、腰や骨盤、股関節、大腿部に現れます。痛みは持続的であったり、動くときだけに現れたりすることがあります。
- がんがリンパ節に転移すると下肢のむくみ、骨に転移すると痛みや下半身の麻痺が生じることがあります。
シャイ・ドレーガー症候群の症状
初期には自律神経障害が顕著に表れます。主な症状は次のとおりです。
- 起立性低血圧による立ちくらみや失神
- 排尿障害(頻尿、夜間尿、残尿感、排尿困難、尿失禁、尿閉など)
- 発汗の減少
- 便秘や便失禁などの排便障害
- 大きないびき、睡眠時無呼吸
- 男性では陰萎(勃起障害)
- 歩行のふらつき、言語障害などの小脳性運動失調症状
シャイ・ドレーガー症候群は、
脊髄小脳変性症の病型の一つで、中年以降の男性に多く見られます。
症状 シャイ・ドレーガー症候群では、まず自律神経症状が出現します。 具体的には立ちくらみや尿失禁、インポテンツなどの症状です。 自律神経障害が前面に出ますが、病気の進行と共にパーキンソン症状や小脳失調症状が現れるようになります。
男性に多い
脳の黒質と呼ばれる部分のドパミン神経細胞が変性・脱落することで起こる神経難病です。進行性の病気で、一度発症すると自然に治ることはありません。
- 筋肉が安静なときに起こるふるえ(安静時振戦)
- 筋肉がこわばる(筋強剛)
- 動作が遅くなる(寡動)
- 姿勢を維持する反射の障害が生じ転びやすくなる
- まばたきが減り表情が乏しくなる(仮面様顔貌)
- 話し方が小声で単調になる
また、便秘や頻尿、起立性低血圧などの自律神経障害、
むずむず脚症候群、嗅覚障害、
抑うつや幻視などの精神症状を合併することもあります。
パーキンソン病は、加齢に伴って発症しやすくなりますが、働き盛りの若いうちから発症する患者さんもいます。遺伝性
パーキンソン病も存在しますが、多くは孤発性で、複数のリスク遺伝子に環境要因が加わって発症に至ると考えられています。
パーキンソン病の治療には、薬剤(レボドパとカルビドパの併用など)や一般的な対策(
日課を簡素化するなど)などがあります。適切な治療が行われれば、発症後10年以上は普通の生活が可能です。
パーキンソン病はどのような病気? パーキンソン病とは、脳の中の黒質と呼ばれる場所に存在するドパミン神経が脱落してなくなっていってしまう病気です。 進行性の病気で、一旦発症すると自然によくなったり治ったりすることはありません。 ごく一部の患者さんは遺伝子の変異が関連しますが、大多数の患者さんは原因不明です。
コロナウィルス感染症
その経路は主に3つあり、①空中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込むこと(エアロゾル感染)、②ウイルスを含む飛沫が口、鼻、目などの露出した粘膜に付着すること(飛沫感染)、③ウイルスを含む飛沫を直接触ったか、ウイルスが付着したものの表面を触った手指で露出した粘膜を触ること(接触感染)、
主に
糞口感染によって感染します。感染経路は次のとおりです。
- 感染者の便によって汚染された食べ物や飲み水を摂取する
- ウイルスが付着した手で口に触れる
- 性的接触(肛門性交や口腔性交など)
A型肝炎ウイルスは
冷凍しても不活化されないため、氷や冷凍食品を介して感染する可能性もあります。また、
上下水道が整備されておらず衛生状態が悪い国や地域では、
生水や生野菜等から感染するおそれがあります。
病原体はA型肝炎ウイルス(hepatitis A virus)です。 感染経路は、汚染された食物などを摂取することによっておこる感染、ウイルスが付着した手で口に触れることによる感染があります(経口感染)。 また、性的接触による感染(糞口感染)もあります。
ヒトの腸管で増殖して嘔吐や下痢などの急性胃腸炎を引き起こすウイルスです。秋口から春先にかけて発症者が多く、冬型の胃
腸炎や食中毒の原因ウイルスとして知られています。
ノロウイルスの感染経路や特徴、治療法などについて、次の情報があります。
- 感染経路:汚染された食品や便・吐しゃ物に接触した手を介しての「接触感染」、吐しゃ物などからの飛沫を吸入しての「飛沫感染」、吐しゃ物や下痢便の処理が不十分なために残存したウイルスを含む小粒子が空気中に舞い上がり吸入しての「空気感染」など
- 症状:健康な場合は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
- 治療法:ワクチンはなく、治療は輸液などの対症療法に限られます。
- 症状の改善:数日~1週間、長くても2週間程度の症状で改善する場合がほとんどです。
ノロウイルスは、下水道などを通り海に流れ込んだ後に
カキなどの2枚貝の中に蓄積されることがあります。ノロウイルスに汚染されたカキなどを生で食べてしまうと、食中毒として発症します。
腸管出血性大腸炎
画像診断に
人工知能(AI)を活用した研究が行われており、
潰瘍性大腸炎の内視鏡評価や組織学的評価、予後の予測などが可能になっています。
東京医科歯科大学と
ソニー株式会社の共同研究では、
潰瘍性大腸炎の
内視鏡画像に基づくコンピューター画像支援システム(DNUC)を開発しました。DNUCにより、
潰瘍性大腸炎専門医と同等の
内視鏡評価や、粘膜生検を採取しなくても組織学的評価が可能になりました。また、患者さんの予後を予測することもできます。
腸管出血性大
腸炎は、
大腸の粘膜に炎症が起こることで血便や腹痛などの症状を引き起こす病気です。細菌に感染することによって起こるものと、治療薬の副作用によって起こるものがあります。
腸管出血性大腸菌に感染する主な経路は、
家畜や感染者の糞便によって汚染された食品や水などを摂取することです。感染後、平均して3日から8日の潜伏期間を経て発症します。症状には、下痢(頻回な水様便または血便)、激しい腹痛、発熱、嘔吐、吐き気などがあります。
サラダ・飲料水に注意
感染症法に基づいて、
H5N1亜型とH7N9亜型は2類感染症、それ以外の亜型は4類感染症に指定されています。診断した医師は、最寄りの保健所に直ちに届け出ることが定められています。
発熱(38℃以上、咳、呼吸困難、喀痰、下痢、
咽頭痛、鼻汁、筋肉痛、嘔吐、 頭痛。
重症例では急性呼吸不全を合併し、死因は呼吸不全のほか腎不全、
心不全、多臓器不全が多いです。
結核の症状は、風邪と似て咳、痰、発熱、呼吸困難などですが、症状が2週間以上持続したり、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴です。また、血痰(痰に血が混じる)が出ることもあります。
結核の診断には、胸部単純写真や微生物検査、
インターフェロンγ(ガンマ)遊離試験などが行われます。治療には、イソニアジド、リファンピシン、エタンブトール、ピラジナミドなどの抗
結核薬を3~4剤組み合わせて、半年間など長期間にわたる内服が必要です。
結核の約8割は肺
結核、2割は肺外
結核(腸、腎臓、リンパ節、骨など)です。
尿酸
「プリン体」という物質が体内で分解されて生じる物質です。プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー源となるアデノシン三リン酸(ATP)を構成しており、常に体内で作られています。また、我々の細胞内には遺伝情報を伝えるDNAやRNAといった核酸という物質がありますが、プリン体はこの核酸の構成成分の一つでもあります。ですので、古くなった細胞を分解する過程で核酸からプリン体が作られています。このように生体内における新陳代謝の過程で作られるプリン体のほかに、食品から体内へ入るプリン体もあり、DNA、核酸を多く含む食品にはプリン体も多く含まれており、種、豆類、ナッツ類や魚類の卵(卵巣)、精巣(白子)のほか魚の干物などに多く含まれています。これらのプリン体は主に肝臓で分解され尿酸となり、主に腎臓から尿の中へ(一部は腸管から便へ)排泄されます。
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が通常よりも高い状態のことをいいます。血清尿酸値 7.0 mg/dLを超えるものと定義されています※1。尿酸が過剰になると、体内で結晶を作り足の親指の付け根に激烈な痛み・発赤を伴う痛風関節炎や腎臓・尿管結石の原因となることがあります。食習慣の欧米化に伴い、わが国の高尿酸血症患者数は年々増加しています※1。
中高年の男性に多い
膵臓のインスリンを分泌するβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど出なくなることで発症する糖尿病です。糖尿病の約5%を占め、世界的には若い人を中心に幅広い年齢で発症します。
- 原因は不明ですが、自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊されることが原因と考えられています。
- 遺伝的な因子に加えて、ウイルス感染などが引き金となって発症することがあります。
- 生活習慣の改善ではほとんど効果が得られないため、生涯にわたってインスリン療法を継続する必要があります。
- インスリン注射の方法としては、頻回インスリン注射療法と持続皮下インスリン注入療法があります。
- 合併症のコントロールが良好であれば妊娠、出産も可能です。
1型糖尿病と似た糖尿病に
2型糖尿病がありますが、原因や治療が大きく異なります。
2型糖尿病は、遺伝的な要因に運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣が加わって発症すると考えられており、糖尿病患者の95%以上を占めています。
膵臓(すいぞう)
胃の後ろに位置する消化器臓器で、消化液やホルモンを分泌する役割を担っています。
- 消化液(膵液)を分泌して、食べ物の消化を助ける。膵液には、糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素が含まれています。
- インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌して、血液中の糖分の量を調節する。インスリンは血液中の糖を使ってエネルギーを作り、グルカゴンは肝臓に糖を作らせて血糖値を上昇させます。
膵臓は、胃の後ろ側に位置し、長さは約15~20cm、幅は約2~3cm、重さは約80~120gと、消化器臓器の中では比較的小さな臓器です。
膵臓の機能がうまく働かないと、各細胞に栄養が供給されず、エネルギーが産生できなくなってしまいます。
膵臓が悪いと、次のような症状が現れることがあります。
- お腹の上や背中に放散する腹痛
- 熱が出て呼吸が速くなる
- 吐き気や嘔吐、油っぽい臭い便(脂肪便)などの消化器系の不良
- 悪寒または身体が震える
- 汗が出る
- 頭が痛くなる
- 脱力感がある
- 食欲が低下してしまう
膵臓のランゲルハンス島(膵島)は、内分泌腺でホルモンを分泌する組織です。ドイツの病理学者である
パウル・ランゲルハンス氏によって発見されたことに由来して名付けられました。
ランゲルハンス島には、次のような細胞があり、それぞれ異なるホルモンを分泌しています。
- A(α)細胞:グルカゴンを分泌し、血糖値を上昇させる
- B(β)細胞:インスリンを分泌し、血糖値を下げる
- D細胞:ソマトスタチンを分泌する
ランゲルハンス島から分泌されるホルモンは、血糖値の調整や糖の
代謝などに関与しており、その機能の低下が糖尿病の要因とされています。
ランゲルハンス島は、
消化液を分泌する外分泌細胞の中に小さな塊として点在しており、まるで海に島が浮かんでいるように見えます。ランゲルハンス島の1個の直径は約0.1mmで、
膵臓全体に100万個ほど存在します
膵臓から分泌されるホルモンで、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を下げる働きがあります。
インスリンの働きが悪くなると、
血液中の糖の濃度が高い状態が続き、糖尿病につながる可能性があります。糖尿病は、
血管が傷つき、心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながる可能性があります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります(糖尿病の急性合併症)。
膵臓のランゲルハンス島に存在し、インスリンとアミリンを合成・分泌する細胞です。ヒトの膵島細胞の約50~70%を占めています。
- 血糖値に応じてグルコースを取り込み、シグナルとしてインスリンを分泌する
- 食後に分泌されたインスリンが細胞の受容体に結合すると、細胞は血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギー源として利用する
- 食前は血糖値が下がりすぎず、食後は血糖値が上がりすぎないように調整する
糖尿病患者では、
β細胞の機能が低下したり、数が減ったりすることで、インスリン分泌不全や高血糖症を引き起こします。
糖尿病の原因としては、次のようなことが考えられます。
- 加齢や遺伝によって、インスリン不足に対するβ細胞を増やす作用が障害される
- 肥満などによってインスリンが効きにくくなる
糖尿病の治療法としては、β細胞を増やす作用を障害されている原因を特定し、β細胞を増やすことで
インスリンを体のなかで作り出す方法が期待されています。
脳を覆う膜(髄膜)の内側層(軟膜)と中間層(くも膜)の間にあるくも膜下腔に出血を起こす病気です。脳動脈の一部が風船のように膨らんでできた
動脈瘤(どうみゃくりゅう)の破裂が原因のものが多く、
くも膜下出血を発症した日本人の約90%は脳
動脈瘤の破裂から発症するとされています。
- 突然の激しい頭痛(「バットやハンマーで殴られたような」と表現されることが多い)
- 意識障害
- 嘔吐
- 片麻痺
- めまい
- けいれん
- 感覚障害
- 発音障害
- 視力障害
症状の程度は出血の場所や量によって異なり、軽度の場合は頭痛や軽度の
意識障害のみが現れることがありますが、重度の場合は命に関わることもあります。
くも膜下出血 くも膜下出血は冬場に発症しやすくなります。 とくに午前6時から12時の間が発症しやすい時間帯です。 冬場は体が熱を生み出そうと血管を収縮させているため、血圧が上がりやすくなります。
昼休憩・活動時に発症
脳塞栓
心臓や他の部位でできた血栓(血液のかたまり)が脳の血管を詰まらせる病気です。脳の血管が詰まることで脳組織への血流が遮断され、突然
神経症状が起こります。
脳梗塞は、脳
血栓症と脳塞栓症に大別されます。脳
血栓症は脳内の血管で
血栓が形成されるのに対し、
脳塞栓症は脳以外の部位で形成された血栓が脳の血管を詰まらせるのが特徴です。
脳塞栓症の一種として、心臓でできた
血栓が脳の血管に流れてくる「心原性脳塞栓症」があります。心房細動などの
不整脈や心臓弁膜症、
心筋梗塞などの心臓の病気によって血液が淀み、その部分でできた
血栓が脳血管に流れ込むことで起こります。突然発症して重症になりやすく、後遺症が残ることも多いことから、予防が重要な社会的課題となっています。
脳塞栓(のうそくせん)不整脈、心臓弁膜症、心筋梗塞などにより、局所に血栓(血液のかたまり)ができ、それが脳まで達して血管をふさいでしまった状態で、そこから先の脳組織に血液が届かなくなるために、突然神経症状が起こります。
脳の血管が何らかの原因で閉塞したり、破綻したりすることで、脳の障害による症状が突然出現する病気です。
- 片側の手足の麻痺やしびれ
- 呂律が回らない、言葉が出てこない
- 視野が欠ける
- めまい
- 意識障害
- 動脈硬化が原因の脳梗塞(artery to artery embolism:A to A)
- 心臓の病気が原因で起こる脳梗塞(心原性脳塞栓症)
脳梗塞は突然発症することが多いため、予防のための生活習慣の見直しなどが大切です。突然の頭痛や手足が動かない、呂律が回らないなどの症状があらわれた場合は、
脳神経外科や脳
神経内科を受診しましょう。
心臓の筋肉(心筋)に血液が届かなくなり、心筋が壊死する病気です。心臓を動かすために必要な酸素や栄養が心筋に届かないことで、心臓の機能が急激に損なわれます。
心筋梗塞の原因は、
冠動脈の動脈硬化です。
動脈硬化とは、高血圧や糖尿病、
脂質異常症などの
生活習慣病や喫煙習慣によって引き起こされる
血管の変性です。冠動脈の内壁に
コレステロールなどが沈着して
粥腫(じゅくしゅ)と呼ばれるこぶができ、血管が狭くなります。この粥腫が破裂して
血栓ができ、血管が詰まって血液の流れが途絶えます。
心筋梗塞の主な症状は、
突然の強い胸痛です。押しつぶされる・強くしめつけられる・灼熱感といった強い痛みを生じて、
冷や汗・吐き気・嘔吐などをともなうこともあります。
症状は20分から数時間続きます。
心筋梗塞は日本人の死因の第2位にランクされており、
発症したら一刻を争う事態となるので、迷わず救急車を呼びましょう。
心臓の筋肉(心筋)に血液を送る冠動脈が狭くなり、心筋に十分な酸素や栄養が行き渡らないことで胸部に痛みや圧迫感などの症状が現れる病気です。
狭心症は、
動脈硬化や血管の痙攣(攣縮)によって起こります。冠動脈の内側が狭くなる(狭窄)ことで、心筋が酸素不足に陥り、一時的に胸の痛みや圧迫感などの症状が現れます。
狭心症には、発作の条件によって次のようなタイプがあります。
- 安定性狭心症(労作性狭心症):身体に負荷がかかる運動(階段の上り降りなど)をしたときに胸が締め付けられたり、圧迫感を感じたりするタイプ。
- 冠攣縮性狭心症(異型):夜寝ているときなど、安静にしているときに胸の痛みや動悸などの症状が現れるタイプ。
- 不安定狭心症:発作の回数が増えたり、軽い運動でも発作が起きたりするなど、症状が悪化しているタイプ。
狭心症の治療法には、
硝酸薬、ベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬などの薬剤の投与や、冠動脈形成術、冠動脈バイパス術などがあります。
狭心症は、
心筋梗塞に移行しやすいため、恐ろしい病気と言われています。再発や
心筋梗塞を防ぐためにも、発症した段階できちんと対処することが重要です。
本態性高血圧
高血圧の約90%を占める、原因がはっきりしない高血圧です。遺伝や生活習慣などのさまざまな要因が複合的に組み合わさって発症すると考えられています。
本態性高血圧の原因としては、次のようなものが挙げられます。
- 遺伝的体質
- 塩分の過剰摂取
- 肥満
- 過度の飲酒
- 運動不足
- ストレス
- 喫煙
本態性高血圧は、
自覚症状がほとんどないため、治療せずにいると血管内壁に高い圧力がかかり続けて動脈硬化が進行する可能性があります。
本態性高血圧の治療には、
生活習慣の改善と薬物療法が用いられます。生活習慣の改善としては、食事の摂りすぎに注意し、食事の内容も
動物性脂質を制限したり、
塩分を少なめにしたりします。また、
ラジオ体操、散歩などの軽い運動を取り入れることも大切です。
生活習慣の改善で血圧のコントロールが不十分な場合には薬物療法を行います。
薬物療法では、血圧を下げる薬(降圧薬)が処方されます。
降圧薬は高血圧の原因を治しているわけではないので、中断すれば当然血圧は上がります。
高血圧には、続発性高血圧のほかに、原因が特定できない本態性高血圧もあります。
日本人の高血圧の約90%は本態性高血圧で、
生活習慣や遺伝要因などが原因で発症すると考えられています。
続発性高血圧の特徴としては、次のようなものがあります。
- 重症である
- 複数の薬剤を服用しても血圧が下がらない
- 若年で発症する
- 急激な高血圧症の発症
- 血圧変動が激しい高血圧症
続発性高血圧は、
原因となる疾患を治療することで血圧を下げることができます。高血圧は長期にわたって薬物治療が必要な
生活習慣病なので、初期段階で二次性高血圧を発見し適切に治療することが重要です。